日頃、我々の与太話から蚊帳のソト状態な、あるいは四駆衰退の元凶のごとく目の敵にされる、巷にあふれるSUVなるもの。どれも同じような物だろうと思っていても、やはり気になるのは富士重工の製品であります。
なにしろ国産自動車近代史の中で、最初に乗用型四輪駆動車を世に送り出した銘柄。東北電力の黄色いボディの記録も、いつか調べてみたいものです。
今ではどの車種も「シンメトリカルAWD」と称して、相変わらずの水平対向エンジンと左右対称の骨組み、駆動系を売りにしているらしい。そして実際良いらしい。
本日お目にかけますのは、下取りでお鉢が回ってきたSG5型のLLビーン仕様なる16年式、8万キロ台で程度はマァマァなれど、流通相場からしてタダに近い査定だったようです。
せっかく手元にあるのだし、ジープのスパルタンな走りにも疲れてきた(まだ復活一ヶ月じゃないか)ので、近所を散策してみます。でもキュリアスでは取り上げられないなぁ。「SUVは扱いません」なんて言い切ってしまった手前。
おおよそ同一銘柄とは思えぬ乗合自動車と。いや日産ディーゼルが主体で、あくまで富士は架装メーカーか。macは「カソウ=架装」という変換がちゃんと出るんですねぇ。
フォレスターてくらいですので森の中で一枚。ここまでの移動の快適さ軽快さにパジェロもテラノも形無しです本当に。リジッドvsドッケンの差どころじゃないです。
川は渡りません。たぶんナナマルやサファリなら行けたかもしれませんが、そんなことして死んだ四駆乗りもいます。
大雨の直後、水は怖いですよ。シュノーケルもデフロックもスワンパーも関係ないですよ。
ここを登るにはグリップ走行は無理で、勢いをつけて仕切り直して登頂しましたが、その先がきついのでリバースダウン。でかい骨太車でもそうしていたでしょう。J38ならどうだったか。この傾斜でストールするのが先か?先日のロッキーならそのままゴーでした。
車にはどんな地形でも進めることよりも、曲がる止まるが重要だとしたら、日常使いにSUVに乗ることは悪くないのかもしれません。
平日は電車通勤、休日に骨太四駆や手強い古四駆でなんらかの鬱憤を晴らしたい人には不向きでしょうが、気象条件も厳しく、豪雨でも雪でも安全に高速移動するのであれば、自ずと答えは出ましょう。そう考えたら「田舎のセダン」ともいえます。
やっぱり富士重工のこのプラットフォームだからいいんでしょう。悔しいほど乗り味がよろしい。ちゃんと曲がってピタッと止まる。
他銘柄は乗ろうとも思わ・・・いや、食わず嫌いはいけません。機会があれば乗ってみたいと思います。たとえRAVなんとかでもCRなんとかでも、経験として、あるいは好奇心として。
セレクティブのスプリンターカリブなんてのは、別の意味でアリかな?
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