最新刊で少しそういうことに触れれば良かったのに、出してから気付いたのですよね。もう10年経ったのか……と。
最初は3号くらい出せれば充分と思っていました。社内でもそんな雰囲気だったみたいですし。
特にVol.4あたりまでの “初期型キュリアス” は、ずいぶん前に作った気がします。読み直すと、こんなこと書いたっけな?と思ったりも。
そして、次のVol.5以降が “現行型” の流れに近くなってきた “中期型” なのだと分かるのです。より意欲が湧いてきたのも、実はVol.5からでした。
皆さんが心配して下さる売れ具合については、流通方法が何度か変わってきた中で、特にVol.5から7まで落ち込んでいました。書籍販社のメディアパルさんを通じて配本を始めたVol.8から盛り返し、最新刊は創刊以来もっとも多くの方に読んでいただけました。やや上向きの低空飛行ということで、高所恐怖症の私にはちょうど良いのです。
Vol.8までは絶版となって久しく、再販や電子化の要望も届きます。
しかし再販は製本コストの面から不可能。電子化は気乗りしない。紙にインクで刷ってこそ、商業誌の皮を被った誇り高き同人誌なのだと、変な理屈でご了承願っております。誤記が永遠に残ってしまう緊張感とともに。
そんなこんなでアーカイブ版の制作も考えましたが、ちと時期尚早。そもそも、短期間で作れるものじゃなさそう。
でも、未練ある過去記事を再びお目に掛けたい気もしておりまして、そうなると「あの車はいま」という都合の良いコーナーがあるじゃないですか。
Vol.2で岩本さんがいうところの「神々しさのオーラに包まれた」思いがする記事に、あれこれ手を加えながら手打ちで書き起こす作業は、精神を統一して写経の心持ち・・・ってこともないか。
取材車両を取り巻く状況も、10年経てば変わってきます。すでにこの世のものではなくなった個体もあるでしょう。
と、10年経ったんだな~という話と、冬季のKE31予燃焼室式エンジンのごとき年頭スロースタートの報告でした。