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Channel: 続・御殿場ボロヨン画報
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たかがシャシブラ、されどシャシブラ

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冬季運用が決まったので氷雪対応タイヤに付け替えるついでに、下回りの点検と防錆。一度塩カルまみれにしてからの処置では下準備が大変ですからね。
まずは高圧洗浄機で今の汚れを徹底的に洗い流し、ザッとシャーシブラックを塗ることに。

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サスペンションのアーム類やホーシングなどは錆びたところですぐに穴が開くわけでもなく、重点ポイントではありません。
それでも表面が塩だらけになった状態は見ていて忍びないもの。ロアアーム上面に塩分を含んだ土砂が堆積することも多々あります。

イメージ 2
ピボットに黄ペン、グリスニップルにキャップ。
整備工場でやったものではありません。前オーナーさんの手入れの良さが伺える部分です。車検は自身で持ち込まれていたそう。

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なんとも不似合いな、チープな軽合金のお靴ですが、仕方ない。冬の間だけだから。

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重点ポイントはこういった箇所。車種を問わず、下回りの防錆は鉄板の合わせ目を念入りに。
ハットチャンネルの丸穴にもノズルで吹き込み、表からも攻める。
たかがシャシブラ、されどシャシブラ、塗り方ひとつで防錆効果は3倍4倍と変わるでしょう。
気合の入った人は、指で継ぎ目になすり込むくらいしても。

中古車を仕入れて、車検ごとに工場でシャシブラ塗ったと思しき塗膜コッテリの様子に安心しても、よく見れば腐食だらけなんてことがあります。平べったい鉄板の表面をいくら塗っても無駄なことで、錆がどこから始まるのか考えず、ただ吹きまくるのは意味がないのです(特にジープ、古ランクル)。


このパジェロのすごいところは、鉄板の合わせ目各所に、刷毛で無色のケミカルが塗りこまれていること。やはりオーナー氏の手入れの良さを痛感します。
ラダーフレームも前から後まで刷毛目が見えていますから、いつも時間を掛けて手入れをされたのでしょう。


イメージ 5
サイドシルの裏側も、鉄板の合わせ目だらけ。ここは未処置でした。
本当はグロメットも外して袋構造の内部もホース突っ込んで洗浄してケミカルを流し込むべきですが、今回はパス。冬季にそれをやると、水分を完全に飛ばせません。購入者さんの楽しみを残しておくことにします。

そういえば以前、J30系のサイドシルをホースで流水洗浄したら、10分くらい経っても泥水が流れ続けました。内部が固まった泥で満たされていたようです。そりゃ湿気溜めて腐るよな、と。


今回は錆が皆無かつ完全乾燥状態でのスタートですから、ごく普通のシャシブラ(油性を選んだ)で良いのですが、すでに錆びていれば転換剤等を用いないと事態を悪化させるかもしれません。
あるいはノックスドール等の防錆ワックスがコッテリ馴染んでいたら塗料を寄せ付けず、脱脂も困難で打つ手なしです。

車検時の防錆塗装を整備工場に頼んだ場合、水性のいわゆる「パスター」が使われるのは、スチーム洗浄後の完全乾燥ができない状態で塗らざるを得ないからな気がしますが、どうなんでしょうね。
万全を期したい場合は、自分で徹底的に洗って、しっかり走って乾かして、鈑金工場に預けて高品質な塗料でやってもらう手もあります。

いずれにせよ、車検ごとに下回り塗装をしていれば塩害とオサラバできるわけではなく、勘所を抑えた処置を行いたいもの。
下回り全面をコッテリ塗るとスプレー10缶は使いそうなところ、要所要所に抑えれば3缶くらいで済む経済効果も。



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私がよくやるのは、こんな風に潤滑スプレーかなにかのノズルに付け替えちゃうこと。
ピンポイントで狭い箇所に吹き付けます。


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