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Channel: 続・御殿場ボロヨン画報
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古便器道楽ってのも

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 前記事で「古い乗り物全般は出会うごとに記録すべき」なんて書きましたが、乗り物に限ったことじゃありません。
 と言っても、古けりゃなんでもいいのではなく、幼少の頃に馴染んだ物や強く興味を持った物、憧れた物などに再会したら記録をしようということです。
 
 先日利用した都内の公衆便所は、懐かしいハイタンク式の小便器でした。1時間に数回だけ、タンク1杯分の水が勝手に流れるタイプ。昭和50年代に新規導入は終わっているでしょう。いよいよ絶滅危惧種です。
 前の人のマーキングの上に、縄張りを誇示するワンコの如く上書き・・・ 今じゃ不衛生とか言われるのかな。便器の前に立つだけでセンサーが作動してプレ洗浄するご時勢ですからね。
 
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 さて、ネタではなく本当の話なんですが、私は小学生の頃は便器に興味を持っていました。変態的汚物趣味ではなく、水流が効率的に洗浄して流し去るというメカニズムに興味を覚えたのでした。だから当時すでに少数派だったボットン便所(汲み取り式)は眼中なしでした。
 
 特に面白かったのは新幹線の車内トイレでした。銀色に輝くステンレスの和式便器。ウンコが流れていく穴には、キッチンの流し台のようなゴムのベロベロカバーが備わり、中が見えずミステリアス。青い水が渦を巻くように勢いよく噴出し、最小限の水量で効率的に流し去るのです。
 あまりの面白さに新幹線に乗ると何度も何度も水を流し(国鉄の人、ごめんなさい)家に帰って生協のオレンジジュースの1Lパックを切って便器の模型をつくり、水道水を流して便器ごっこをしました。このジュースのパックは内側がアルミ箔で、ステンレスの便器を模して作るのに最高だったんです。
・・・と、これらはどちらかといえば先進的な便器。
 
 より心惹かれたのは、公園や駅に残る古~いタイプの便器でした。水洗式でありながら、どこか未完成でノスタルジックなところがツボにはまったようです。例えば小便器は個別に設置されるのではなく、ただの壁に向かってジャーッと放って、下の溝に流れてゆくだけ。仕切り板もないのでとなりのチンチンも丸見えで、幅2~3mくらいの幅のどこでしても自由。小さな子供でも便器からはみ出すことなく用が足せました(靴にかかることはありましたが)。水が流れないタイプもありましたが、ハイタンク式が多かったかな。
 昨年、信州に出かけたら、ある駅にこのタイプが残っていて驚きました。同じ時期には大便器もジェットバルブやサイフォン式でなくて、一直線に流すだけのタイプが多かったと思いますが、駅でウンコするのはなんだか怖かった。
 
 もし小学生の頃、古バス古トラック、転じてジープやランクルに目覚めず、便器マニアになっていたらどうだったでしょう。今頃、大手企業のT社(トヨタじゃない)やI社(いすゞじゃない)の技術者として成功して趣味性の高い便器を開発したり、設備工事会社の広報部で “便器道楽専門誌” を創刊していたのでしょうか。その場合の書名は 『BURIOUS』 ですね。別冊ZINEは 『列車の便所』 とか。 (やっぱり四駆で良かったな)

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