プロジェクター?いやいや、ここは幻灯機と呼びたい。
婆様の四十九日法要をお寺で済ませ、形見分けのために実家の押入れを漁りますと・・・・・・
・・・・・・古写真やら古文書(?)やらの次に出てきたのは、怪しげな、しかし程度の悪くないこんな機械。28年前に死んだ爺様の所有物のようですが、私は家にこんなものがあることを知らなかった。
富士写真フイルム製の「バーディーキットⅡ」という製品。富士フィルムのサイトを覗くと、初代の「バーディーキット」は昭和30年4月発売というので、コイツも昭和30年代製なんでしょうな。とりあえず電源を繋いでみましょうか。
やっぱり点かないと思ったら球が無い。こんな電球、手に入るんだろうか。
光源から3枚の凸レンズを通してフィルムを透過し、さらに焦点調節可能なレンズ組を通して像を結びます。単純、されど奥深い。電脳とは無縁の古典的視聴覚機材には、えもいわれぬ魅力があります。
これで新商品をプレゼンしたらクライアント連中は否が応でも契約書に判子を捺すでしょうが、私にはプレゼンの機会が無い。いや、このブログが皆様へのプレゼンかもしれません。
しかし、いつから我々は「クライアント」「プレゼン」なんて横文字ばかり使うようになったのか。最近耳にする「ブランディング」なんていう言葉も日本人が使うには違和感がある。その軽薄な語感がブランド(優良銘柄という意味合いなんでしょう)とは結びつかない。まったく気取っちゃってよ・・・・・・おっと、話が脱線しました。日ごろ思っていることを、ついつい。
実は、収納箱の中に折り畳みスクリーンが内蔵されています。幻灯機本体も蝶板で固定されていて、パッタンと倒して収納。このように可搬式であることが売りだったようです。
スライドも何十枚か残っています。なんだこの規格は?と思ったら、ハーフ版でした。小西屋六兵衛店のカラー・ポジフィルムです。
三菱重工横浜造船所勤めだった爺様のこと。よもや50年前の横浜駅や桜木町の様子なんか出てきちゃったりしないだろうな!!と鼻息荒く透かして見ますれば、海外視察で撮影したのか、中国のような風景ばかりが写っています。
なんでも、一度台湾出張に出かけたとかで、その記録のようです。「バーディーキットⅡ」は結局あまり出番が無かったようで、程度の良いまま仕舞い込まれたのではないかと思います。