キュリアスVol.6の巻頭特集に登場したビッグホーンUBS52FK。
記事ができ上がった頃にいすゞの保存車として引き取られ、美しく生まれ変わったことはVol.11の「あの車は今」でご紹介した通り。詳細は「本を読んでくんなまし」とうことで端折りまして、表題のイベントにお誘いをいただきましたのでリポートいたしましょう。
プレス限定の公開ということで、本来であればメーカー広報部からお声が掛かるはずもない弱小メディアの本誌ですが、そんな経緯もありカメラぶら下げ藤沢工場へ。
世間は「借りを済ます」とかいう宗教行事、転じて商業行事の12月25日。私はキリスト教徒ではないので済ますような借りもなく、どこか壊れそうなK6Aエンジンを唸らせ東名高速を90km/hでカッ飛びます。
礼儀としてジェミネット2かUBS69GWを足にするべきでしょうが、どちらも車検がないのですよ。
本日の公開車両群。近いうち、各方面の自動車雑誌やウェブマガジンで当日の様子が公開されると思います。スポーツカー・乗用車系から、バス・トラック専門誌まで、10社以上の記者が参加していたのではないでしょうか。
いすゞ社内の公式動画撮影も兼ねていたようで、展示車両が順番に場内に出走。全ての車両が実働コンディションなのでした。
ジープJ20~30の初期もそうですが、この時代のメーターは凝っています。お洒落です。ラパン等のカワイイ系の車が、今になってこういうのを真似る気持ちがわかります。
なんとも、いやはや。私の年代だと初代型は4灯式含め、幼少の記憶にもありません。オールドタイマーや高速有鉛誌上で見るだけの存在でしたが、こうして軽快に走っているのです。
丸ウインカーの二代目前期は、幼稚園児の頃でも「すっげー ふるい えるふ」という認識。
すでに第一線を退き、個人商店所有の個体などが僅かに生き残るのみ。物心つく頃には幻でした。
湿った予燃焼室式スメルは、某所で復活したJ3RDのKE31の屁に通ずるものがあります。
1年半ぶりの再会、UBS52FKちゃん。以前寄贈させていただきました「黒ベゼルテール」に交換され、バックシャンです。キュリアスVol.11掲載の写真と比較してください。引き締まっています。
これもバックシャン系ですな。やがてフロントドライブを追加し、して、本邦初のワントナー4x4に進化。
詳細な解説は他誌に譲りましょう。うちは次の号まで半年以上もありそうですから。
ベレル・ディーゼル、乗用ディーゼルの先駆け。
この辺は専門ではありませんが、始動した途端、鳥肌の立つほど美しい、カンカラ・カンカラと響くディーゼルノックにヤラレました。のちの乗用ディーゼルとは比較にならない、誠に透き通った硬質サウンドです。しかし記者の方々の耳には「美しいエギゾーストノート」には聞こえなかったかもしれません。
超ヒストリックな2車は「展示のみ」ということでした・・・が、突然!!
ひえ~、TX80が動いとる!! 昭和23年製です。
プロカメラマンの方々は、こんな風に自分の姿が写り込むようなミスは犯さないでしょう。
しかも参加者中唯一のコンパクトカメラ。
贅を極めた内装であることは一目瞭然。しかし、とにかく前後に狭いキャビン。
北海道で現役だったものを引き取ってフルレストア。長年川口のサービスセンターで保管され、現在は藤沢工場に移管されたとのこと。
典型的なサイドバルブの平たいデカ頭。
トヨタの旧BやFがシボレーのコピーなら、このGAにも手本があったと思われます。どこのだろう。
ハンドクランキング&エーテル代わりのキャブクリの合わせ技で、アフターファイヤー一発ボカン! スミダが始動しちまいました。昭和7年製、凄い!!
一号車と二号車
あ~、動き出してしまいました。
LV290と並んでしまいました。
スミダについては、またとない機会ですので、地面を這いながら念入りに撮影しました。
この点は会場の中で一番熱心だった自信があります。誰も下回り撮らないんだもん。
金玉カバーに貼られた説明、画像をいじっても中々解読できない。
「・・・モータ用ヒラレタシ・・・二千哩毎ニ・・・セラレタシ」
とりあえずファイナルが5.78であることは読み取れました。
先細りの運転席。
構造材、可動部、操作部、あらゆる部位が最高級素材に思えます。
クランク棒の突っ込み穴は鋳物のケーシングがあり、もしやリダクションなのかと思いましたが違いました。
当然ながらバキューム式です。ワイパーフェチとしては衝撃的な固定方法。
「神奈川古古古バス見聞録」
藤沢車庫3338号 湘南台行きに充当の図。あ、通過しちゃった!!
動画撮影班はトヨタ車じゃないか。
大変珍しいベレットエキスプレス。こんな素敵な商用車があったんですね、知りませんでした。これのトラックがワスプになるようです。
テールゲートの昇降式ガラスが故障してスタッフの皆さん(実験部の方々)が応急修理し、無事出走しました。
このあたりは詳しくないので、周りの方の「これは初期のもので美しいのだ」という会話に聞き耳を立てておりました。
ジェミニの語源、いすゞのサイトに下記の説明がありました。こじつけ的ですが、ジェミネットは「三つ子座」になるのかな。
「双子座より由来。いすゞとGMとの携帯により共同開発されたグローバルカーがいすゞとお客様を信頼で結ぶことを願った名称。」