48年9月登録のFJ40V、キュリアス4号で少しご紹介した、あの個体が入庫しました。
この年式の標準である3速フロアにマスタバック付きの2系統ブレーキ。丸テールですが一枚モノのフード。バンであっても幌用のフットマンループがギリギリ残る時期のモデルです。インパネのプレスはコラム時代のリブ入りから、のちのBJに通じるものになっています。
社外品のクーラーが異彩を放つ運転席。効くかどうかは不明ですが、以前は効いていました。でも、どうせ床からの熱であぶられるんでしょうFってのは。このあたりは何の変哲もない、よくあるFJ40Vの眺めです。
でもって 「本当に国内向けにも貼ってあったのかな~」 と、ちょっと疑わしいF155のラベル。乗ってみるとパンチが効いているのは確かですが、他のFJ40の感触を忘れてしまいました。でも42年あたりは線が細かった気がしますし、49年のFJ55Vなんかはバオバオうるさいばかりでモッサリしていた気がします。
この個体はドタドタと下品に加速する感じで、燃費が悪そうです。信号グランプリでは4M40や1KZに勝てる(かもしれない)。
ノンシンクロの3速ダイレクトミッションの「棒」が、1速に入れるときギア鳴りするのも楽しく、ダブルクラッチでシフトダウンできないような運転手を拒否する感じです。昨今FJクルーザーを「エフジェー」と呼ぶ人が増えてきているようですが、なんだかな~。
で、そんなことはイイんです。この個体の最大のポイント。1ナンバー屋根付き仕様でコレは、ありえないでしょう?
3とか8ならありえますが、正真正銘 1 のバンなのです。
説明としてはこういうことです。C-4から “無断転載” してしまいましょう。
おそらく、カタログモデルから仕様変更した個体を手違いで新規登録に合格させてしまって、もう駄目とはいえないからこのまま来てしまった……というのが真相じゃないかと。既得権益ってやつですね。法的に、他のFJやBJのバンを貨物のまま左右長椅子にすることはできません。
この車、必然的に売り先を選ぶようになってしまうのですが、委託主さんは具体的価格をおっしゃらなかったので、というか一任されてしまいました。
ゲテモノ改造やオープントップ化をされないとお約束いただける希望者さんがおられましたら、メールでご相談下さい。画像の送信を依頼されることもありますが、この手の場合は現物を見てください。もちろん完全現状、それなりの知識と経験がないと苦労すると思います。冷やかし御免、どうか販売趣旨のご理解を。
うまくいかないようなら、委託主さんに「もうちょっと乗っててね」と返してしまいましょう。